『母の想い出』C (矢野政美著) 四、初めて安武恩師の御取次ぎを仰ぐ 初めてお引き寄せを蒙った母に、安武大人は、いとも懇切に、まずこの神様は真実の親神様でましますこと、愛しき氏子をみそなわす御神慮、その親神様の悲願を受け給いて、日夜御取次くだされてある金光様のご苦労などについて、お諭しくだされた。 母は初めてうけたまわるみ教えによって、この天地に親神様のましますこと、その尊きご神恩に胸打たれ、これまでその天地の大恩も得知らで、ご無礼の限りを尽くしてきた過ぎこし方を振り返って、ひたすらお詫びの思いで胸いっぱいであった。 母は心の中で、「親神様にまします神様であれば、これから一心におすがり申し上げれば、必ずおかげにしてくださるに違いない」と、こみあげるものを感じた。 安武恩師は、「主人の病気は一週間の日を切ってお願いしとくばい」と仰せになったが、母は「先生!それは待って下さい。今日はお願いにお参りしたのではございません。いったいどんな神様であろうかと思って、模様見にお参りしたのでありますから。私はただ今み教えを頂いて、真実の親神様ということがわからせていただき、今日まで天地のご恩も知らず、ご無礼の限りを尽くしてきたことが相済まない気持ちでいっぱいでございます。そして、ご神恩が有難くもったいなく思わせていただきますが、この有難い親神様にご信心申し上げることをお約束申し上げずに、お願いだけしていただくことは、どうしてもできません。帰らせていただきまして、主人にただ今承りましたことを伝えまして、主人がそのようにありがたい神様であれば、これから信心させていただくから、お願い申し上げてくれと申しましたら、すぐに引き返してお願いに参ります。もし、主人に信心させていただくという心がありませぬ場合は、お願いには参りませぬ」と、申し上げた。 お聞きになった安武恩師は、「それは面白い。そのようにしなさい」と、仰せられた。 母は恩師においとま申して、急ぎ家に帰り、病夫の枕許で今日承ったみ教えの一部始終を語り聞かせた。 静かに聞いていた父は、しみじみとした面持ちで、 「そうか、天地の親神様か。そのような尊い神様であれば、わしもこれから信心させていただくから、ご苦労じゃが、もう一度お参りしてお願いしてきてくれ」と、母に頼んだ。 (続きへ) [?] [?] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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