小説置き場 ■□1□■

翼の無い天使 [バトテニ] 2 (るな)

[丸井視点]

(ブン太…仁王が心配なのかい? 大丈夫だよ、此処に居ればきっと来てくれる。
…そうだね、念の為コレ、持っていて? と言ってもあと一発だけど。
ん?俺のはもう1つあるから。 俺はこのゲームを終わらせてくるから…
ほら、大切な部員たちが殺しあうなんて…馬鹿げてるだろう?
間違ってしまう前に俺が…止める。)


幸村君は悲しそうな顔をしながら「皆を止める」と言っていた。
その「止める」という言葉がどういう意味か位わかってる。
自分の考えが甘い事くらいわかってる…
ただ、その言葉が、意味が辛かった。

俺は促されるまま目の前にあった教会で身を潜める。
本当に仁王が来るかも知れないという期待を抱きながら…
マリア像が俺を見下ろしている…
この場に溶け込まない、優しげな微笑を浮かべながら。
さっき渡された残り1発分の銃をぼんやりと眺める。
きっともう既にこの銃で何人もの部員たちを
“止めて”きたのだろう…
そして今も。

あぁ、だんだん馬鹿らしくなってきた…
「いっそのこと…コレで死んでみっかな…」
カチリと自分の頭に銃を充て引き金に指をかける。
不思議と不安や恐怖は、ない。
さぁ、これで最期だ。
「さよなら、にお………に、仁王っ?」
――ガンッ
数秒後の深い永遠の眠りのため目を閉じ引き金を引こうとした時、
勢いよく教会の内開きの大扉が蹴り開けられた。
そこに居たのは…紛れも無く、ずっと俺が待っていたアイツで。
「えっ?…う、嘘…だろぃ」
「嘘じゃなか。俺はここにいるだろ?…ずっとお前さんの事、探してた」
驚きのあまりにヘタリと膝が折れその場に座り込んだ。
おまけに何か目の前が歪んできた…
何か俺、今すごくカッコ悪すぎだろぃ…

座り込む俺を仁王が駆け寄ってきて包み込むように俺を抱きしめてくれた。
…何かすげぇ久々な気がする。
俺も仁王の背中に手を回して…
そう、そこで俺はやっと異変に気付いた。
「仁王…?それっ…ど、どうしたんだよっ!?」
服や顔、いたるところに血が付いている
気が動転した俺は悲鳴をあげかけていて
寸前で仁王が俺の口を押さえる。
「怪我は大したことなか…大丈夫」

咽返るほどの血の匂いに放心状態に陥る…
仁王は俺が落ち着くまでずっと、
ずっと、
抱き締めてくれた。
よく見ると服についた血は赤黒く変色し少なくとも止血した…
もしくは他の奴の血ということが解る。
前者であっても後者であっても少し胸が痛い…
赤黒く乾いた血の中で一際紅く、流れたばかりと主張をする
その鮮血に触れてみればほんの一瞬、
顔を歪めた…
仁王の右肩口からは異常なまでの血が流れていて…
慌てて止血しようと必死になるも仁王はクスクスと可笑しそうに笑っていて、
まるで他人事の様なコイツに何故か俺は腹が立って。
しばらくの間、黙り込んでしまう。

■□■□■□■□

すみません!
遅れた上に前後編どころか
前、中、後と3つも出来てしまい
…字数制限があるとは思って無かった故の結果です
後編はすぐにupします
すみませんでしたorz

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